ドラマ「雑居時代」。
今も忘れない、私が10代前後の頃、夕方学校から帰ると、何度も何度も再放送されていたドラマ「雑居時代」。
石立鉄男主演のホームコメディが人気だったこの頃、ドラマのヒロインに抜擢されたのが、大原麗子。
その美しさは際立っていた。
思春期の少年にとって、彼女は憧れのひと、遠い星のひとだった。
女優としての頂点に立つ 。
1970年代から80年代にかけて、彼女はドラマ、映画、CM、すべてにおいて、トップだった。このCMは、彼女が時代と寝た女であることを象徴するものだ。
女優としては、1989年の大河ドラマ「春日局」に主役として、大河史上4人目となる主役を務め、平均視聴率32%を記録した。これは大河史上3位の記録となった。
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不幸だった晩年。
しかし、すべての輝きは、彼女の私生活を犠牲にして手にしたものだった。
渡瀬恒彦、森進一という二大スターとの結婚も、彼女の女優魂が蹴散らした形になった。普通の女の幸せと引き換えに手にした名声、栄誉だった。
2000年代以降は、病により芸能活動も滞りがちになり、世田谷区にある3億円の豪邸にひとり暮らしの生活だった。
そして、2009年8月、自宅で倒れ、逝去。
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その生き様は、ノンフィクションとして出版され、ドラマ化された。
死亡したとき、高倉健と共演したドラマが、DVDプレイヤーに入っていた。
彼女が若い頃から敬愛していた高倉健と、1992年に共演した「チロルの挽歌」だった。
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以上が、一般的に知られている大原麗子さんの人生かもしれない。 しかし、さきに紹介している大原麗子について描かれた唯一の書、「大原麗子 炎のように」を読めば、「雑居時代」に見る明るくて優しいお姉さま像は、一変する。壮絶な彼女の生きざまが見えてくる。
次の記事では、この書物を足がかりに、彼女の実像にせまってみたい。