こんばんは。デラシネ(@deracine9)です。
これから、テレビドラマでメディア化されていない名作ドラマを紹介したいと思います。
とはいえ、ビデオにもDVD にもなっていない作品なので、現時点で観ることは大変困難な状況にあります。
しかし、そんな素晴らしい名作が、陽の目を見ずに埋もれていくのが惜しくてなりません。
そこで、いつか再放送され、メディア化される日が来ることを願って、このシリーズをお送りしたいと思います。
本日は、その第1弾。「白昼の死角」。
欲望の街 ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
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この曲は、高木彬光 原作のピカレスク小説「白昼の死角」の映画主題歌。
これは、映画公開後ドラマ化され、同じく主題歌として使用されました。
映画は、主演・夏八木勲で「狼は生きろ、豚は死ね」というキャッチ・コピーで記憶している方も多いかと思います。
私は1979年のテレビ版を、リアルタイムで途中から観ました。
主演は渡瀬恒彦で、とにかく引き込まれて観た記憶があります。
時代背景は、敗戦後まもない日本。
法の網の目をかいくぐり、次々と新たな手口で会社を陥れ、詐欺横領を繰り返す男・鶴岡七郎(渡瀬恒彦)。
それを執拗に追い詰めていく敏腕検事・福永(天地茂)。
天地茂は、映画、テレビ共に同じ役を演じました。
しかし、映画とテレビ版とでは、ラストが異なり、断然、ドラマ版が優れていました。
なぜならば…。
映画では、制作のスタンスがピカレスクロマンに比重を置き過ぎ、観客が冷徹に犯罪を繰り返す主人公へ、感情移入出来なかったことにあると思います。
ドラマ版は、主演の渡瀬恒彦、山本圭、小倉一郎、岸部シロー、森下愛子、浜木綿子と、名優揃いでした。
中でも、渡瀬恒彦の演技は、さすがでした。
稀代の天才詐欺師と人情にもろい凡庸な常識人の両方の顔を合わせ持ち、その相克に苦悩する鶴岡七郎というキャラクターは、渡瀬恒彦という役者あってこそ成立したもので、そこが映画版にはない、質の高いドラマになった所以でした。
元号という時代の区切りが、刻一刻と近づいています。
昭和という時代が、いかに凄惨な悲劇を生み出したか、このドラマもやはりそれを語っています。
是非一度は観たいドラマです。
しかし、映画版は Amazon prime などでいつでも観ることが出来ますが、ドラマ版はDVD にもなっていません。
10年以上も昔、スカパー! でやっていましたが、その後再放送があったのかはわからないままです。
1979年のドラマ版を再び観られる日が来ることを、願っています。
- 作者: 高木彬光
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小説は、とても面白く読めます。
映画より、原作小説がおすすめです。