こんばんは。デラシネ(@deracine9)です。
本日は、「ジョン・レノンへの手紙。〜太平洋戦争開戦の日に。〜」と題してお送りします。
Dear John.
今日は、あなたの命日。
あなたが逝ってから、41年目の冬を迎えます。
あなたの眼に、今、世界はどう映っているでしょうか?
世界は再び、大きな厄災に向おうとしています。
愛と平和を嘲り憎む連中がはびこり、大国同士はまた睨み合いを続ける、そんな世界になろうとはしていないでしょうか?
一昨年来、新型のウィルスが世界中に蔓延し、多くの弱者を死に至らしめました。
ロシアや中国、ミャンマー、北朝鮮などの国々では、暴虐で非道な指導者が権力を握り、弱き民衆を苦しめ、世界にはどす黒い霧が立ちこめています。
日本では、選挙の結果、またも一党支配が継続されることになり、事実上、政権の頭をすげ替えた影の権力者が、大いに幅をきかせています。
私たちは、日々のたつきに四苦八苦している中で、いったい何ができるのでしょうか?
どんどん世の中が悪くなっている。
そう言ったのは、忌野清志郎という、あなたを敬愛し続けた日本のミュージシャンでしたが、ますますその傾向に拍車がかかっているように思えます。
Give Peace a Chance (平和を我等に)
レノンの愛した国、日本。
今、あなたは、生涯の伴侶・ヨーコの母国・日本を、どう思っていますか?
あなたは、しばしばヨーコとお忍びで日本を訪れ、軽井沢でショッピングを楽しんだり、散策したりと、リラックスした時間を過ごしましたよね。
私も、あなたの宿泊したホテルを訪ね、あなたとヨーコの暮らしを、心に思い描いたものです。
今、日本では、少子高齢化が凄まじい勢いで進んでいます。
これまで、国の政策をほとんど一手に担ってきた政権与党は、何十年も前から分かりきっていたことなのに、この対策を放棄してきました。
検討はしてきたのです。
しかし、「検討する」ということは、政治家が使うと、何もしないことなのです。
政治は、働く者が安心して子育てをする環境作りには関心が無く、もっぱら目先の経済優先の政策を取り、企業を守ることばかりに税金を使い、婚活パーティを推奨することくらいでお茶を濁してきました。
男なら家庭を持ち、家族を作るのが常識だ、みたいなことを、ほんの数年前まで言い続けてきたのです。
その結果、ついにこの国では未来を担う人口が激減し、働く者がいなくなるという事態が目前に迫ってきました。
これから、日本の経済は、どうなるか?
最近の経済アナリストは、もはや労働者人口の増加見込みの無い日本への投資は危険であるとし、海外の投資先をもっぱら推奨しています。
領土が広くて、まだまだ人口が増えそうな海外の新興国やアメリカなどに比べ、日本は国土が狭く、開発できる土地はもうわずか。
人口が激減し、住める土地が無い日本の経済は、尻すぼみに縮んでゆくのは明らかだ、というのが、その根拠です。
そんな国になってしまった責任が誰にあるかは、明白ですよね。
自民党です。
しかし、野党の皆さんは、なぜかこれを追及なさらない。
私には、これが不思議でしょうがない。
(政治家が、この国には未来が無くなりそうだなんてことを前提に演説したら、選挙で落ちるから、誰も言わないのかもしれません。)
なんてことを、今さら嘆いても仕方のないことなのですが、もはや後戻りはできないところまで、きてしまった。
経済において、日本は世界に取り残される確率が極めて高いことが、露わになってしまったのです。
Power To The People
コロナ禍の世界の祭典。
ヨーコとあなたの創った「イマジン」は、世界最高の平和を祈る祭典で流れる曲となりました。
しかし、曲を流している主催者の中に、真剣に平和を願う心を持つ人びとが、どのくらいいることでしょう?
今年、東京ではオリンピックが開催されました。
新型コロナウィルスの蔓延する中での、異様な無観客の大会でした。
ウィルス対策を後回しにしての、いちかばちかの強行にも、弱き民は、従うことしか知りませんでした。
オリンピックがなければ、ウィルスの沈静化は、もっと早くに始まり、人びとに平穏な日々をもたらすことが出来たはずです。
自身の権力基盤を固めることしか興味がない政治家は、今、安穏として、与党の最大派閥の首領に収まりました。
自ら犯した数々の罪にふたをして、罪を暴かれるどころか、時の政権を操る大立者として、好き放題に振る舞っているのです。
ウィルスの恐怖も、この政治家の悪行を、国民の関心とは無縁にしてしまうことに、最大の功績をおさめたようです。
どこまで悪運の強い奴でしょう。
あなたなら、この男を許しておけますか?
政界の影の権力者として、国を託しておけますか?
Imagine
太平洋戦争開戦の日。
ジョン、心配性だな、と嗤わないでくださいね。
ところで、話題は変わります。
あなたの逝った日は、奇しくも、日本がアメリカに対して太平洋戦争を開始した日に当たるのです。
日本の政権は、現下の政党が長い間、支配しているのですが、間の悪いことに、年々右傾化を続けているようなのです。
政権与党の中にも、その名にふさわしいリベラルな政治家も多くいることは確かです。
しかし今、彼らは権力の中心からは遠いところに干され、もはや出番が無いところまでに追い詰められています。
本当は、こんな政治屋の話を、あなたにしたくはないのです。
しかし、かつての戦争の記憶は遠ざかり、平気で軍事力の増強に旗を振る若者たちが、新たに登場したメディアに数多く現れ、自由と平和を愛する思想は毛嫌いされるありさまです。
どうして、これを見過ごすことが出来ましょうか?
日本の国営放送は、昨日今日と、かつての戦争を回顧する番組を流していますが、これらを遠い過去の出来事として、間違った教訓のエンタメとしてしか捉えていない国民が、どれだけいるかと思うと、戦慄さえ覚えます。
戦争はいけない事だというメッセージは、戦争仲間と同盟し、戦力を保持する現実とは、まったく矛盾、対立しないものとして、メルヘンにさえ、なりかけていないでしょうか?
だいじょうぶだ、ジョン。
あなたの静かな眠りの時間を、心波立たせるような話を聞かせて、すまないと思っています。
ですが、あなたなら、この苦境をわかってくれるはず。
そう思ったから、この手紙を書くことにしました。
最後まで聞いてくれて、ありがとう、ジョン。
永遠の眠りに就いてください。
心安らかに。
こんな世界ですが、ヨーコやショーンのことは、心配しないで。
だいじょうぶですよ。ジョン。