こんばんは。デラシネ(@deracine9)です。
本日は、日本のフォークソング名曲集 PART2と題してお送りします。
PART 1 に続き、今回もこのグループの曲からです。
冬の花火はおもいで花火 NSP
今年は、暖冬のせいか雪を見かけることも少ないですが、今の季節にはよく似合う曲です。
叙情派フォーク系の曲には、昔の文学作品からタイトルを取ったものが結構ありますね。
「八十八夜」「冬の花火」は、いずれも太宰治の小説・戯曲があります。
内容は全然違っていますが、語感の響きが良いタイトルからインスパイアされて、モノ作りをすることって結構ありますよね。
NSP には、まだまだいい曲がたくさんあります。
私が一番好きなベスト盤は、1978年リリースの「青春のかけら達」。
しかし、CD は一度発売された切りで廃盤になっていますので、このベスト盤の曲を選んで聴いてみるのをおすすめします。
漁り火 NSP
この曲は、本当にいい曲ですが、なぜか配信されていません。
下のベスト盤に入っていますので、おすすめです。
- アーティスト: N.S.P
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 1992/11/20
- メディア: CD
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次の曲も、PART1で紹介したグループ。
春雷 ふきのとう
これも季節感に溢れた名曲です。
若い方には米津玄師の「春雷」がおなじみかもしれませんが、私の世代ではこの曲ですね。
前回紹介したスリーハンサムズ、細坪基佳さんもソロで元気に活動されているようで、現在 全国ツアーの真っ最中、福岡にも来られる予定です。
青春を思い出して、足を運んでみられては如何でしょう。
GOLDEN☆BEST/ふきのとう ALL SINGLE SIDE-A COLLECTIONS
- アーティスト: ふきのとう
- 出版社/メーカー: Sony Music Direct(Japan)Inc.
- 発売日: 2014/05/12
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次の曲。
無縁坂 グレープ
昔、グレープという二人組で活動していたさだまさし、この曲のほか、「精霊流し」などの名曲をこの時代に書きました。
この曲は、さだまさしが好きとか嫌いとか、言わせないくらいの名曲ですね。
母を歌った名曲、山口百恵の「秋桜」を書いたのもさだまさしですが、これと甲乙つけ難い。
さだまさしも、文学や落語、歴史などに造詣が深く、それに因んだ曲をたくさん作っていますね。
曲やアルバムのタイトルだけを拾っても、たくさんあります。
「檸檬」は、梶井基次郎の同名小説から。
「防人の詩」は、「万葉集」から。
「縁切寺」は江戸時代に、女性の方から離縁を申し出ることが出来なかったため、女性の駆け込み寺として存在したお寺の故事から。
自身の1th アルバム「帰去来」は、陶淵明の詩「帰去来の辞」から。
「多情仏心」は、 里見弴の同名小説から。
「つゆのあとさき」は、永井荷風の同名小説から。
「飛梅」は、菅原道真が京の都を追放され、太宰府に左遷された折、道真を慕って飛んできたという梅の木の故事から。
「セロ弾きのゴーシュ」は、宮沢賢治の童話から。
「空蝉」は、「源氏物語」に登場する女性の名前から。
「検察側の証人」は、アガサ・クリスティの同名小説から、モチーフは芥川龍之介の「藪の中」から。
「たずねびと」は、太宰治の同名小説から。
「鳥辺野」は、京の都の火葬場として知られる地名から。
「明日檜」は、井上靖の小説「あすなろ物語」から。
…こんな感じで、初期 10枚のアルバムから探しただけでもこれだけあります。
そこで、少々前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
「無縁坂」という坂が、東京・上野にあります。
森鷗外の名作に「雁」という作品がありますが、その重要な舞台として出て来るのが、無縁坂です。
太宰治は、森鷗外を大変リスペクトしているので、私もその影響で、鷗外の小説を好んで読んでいたわけです。
とりわけ、その簡潔にして端正な文体に憧れ、鷗外の作品でも、「雁」の小説世界には強く魅かれるものがありました。
私は、今から20年程前に、この坂を訪れたことがあります。
坂の上に登り切り、引き返してあらためて、坂をくだって行きました。
道の左側は、どこにでも見かけるマンションや住宅が並んでいます。
しかし、道の右側には、当時を偲ばせる古めかしい石垣が残っていました。
それから、ほど近い、主人公の岡田が友人と散歩した不忍の池に足を運びました。
無縁坂は、ほとんど人通りがない住宅地であるのに比べ、不忍の池は多くの人でごった返していました。
そこには、もう鳥らしき飛影は見当たりませんでした。
しのぶしのばず 無縁坂
この歌詞は、ここから来ています。
明治という時代が、この小説からは感じられます。
下の動画は、いかにもお役所が作ったという感じで超ダサいですが、森鷗外と「雁」という小説を手っ取り早く知るにはお手軽でしょう。
私としては、小説そのものを読んで頂きたいと思います。
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最後の曲。
時には母のない子のように カルメン・マキ
この詞を書いたのは、寺山修司。
寺山修司という異才は、詩人、作詞家、エッセイスト、劇団「天井桟敷」主宰者、戯曲家、映画監督などなど…とにかく前衛的でマルチな才能を発揮した人でした。
その才能は、今でも愛されています。
最近も、小説「あゝ荒野」が菅田将暉、ヤン・イクチュンの主演で映画化されました。
寺山修司は、大学生の時から脚本家の山田太一さんと親交があり、山田さんのドラマ「早春スケッチブック」は、寺山修司が主人公・沢田竜彦のモデルだと言われています。
これは、病床の寺山修司を山田太一さんが見舞いに訪れたとき、寺山本人が、俺を書いたな、と山田太一さんに言ったそうです。
それからまもなく、寺山は帰らぬ人となりました。
これは山田太一さんのエッセイにあるエピソードです。
私は、この二人の作品に大きな刺激を受けてきました。
どちらも、確固たる自分の世界を築き上げた、優れた芸術家です。
その作品世界に触れたら、あなたの人生は変わるかもしれませんよ。
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