こんばんは。デラシネ(@deracine9)です。
本日は、ワークソングの特集です。
空疎で不毛なる仕事に病み疲れた、労働者諸君に贈ります。
まずは、1曲目。
ブルース・スプリングスティーンのこの曲から。
ザ・リバー ブルース・スプリングスティーン
Bruce Springsteen 『The River』 歌詞:和訳
- アーティスト: ブルース・スプリングスティーン
- 出版社/メーカー: SMJ
- 発売日: 2015/07/22
- メディア: CD
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スプリングスティーンの、この歌詞を読むだけで、いろんな日本のアーティストが浮かんで来ます。
甲斐バンド、浜田省吾、尾崎豊、辻仁成、etc 。
みんなスプリングスティーン、大好きですね (笑)。
これはもう、名曲中の名曲です。
このいかつい男が、めいっぱい語っているのが、たまりません。
心ゆくまで、何度でも聴き返しましょう。
ワークソングのルーツ。
じゃあ、日本のアーティストは、ワークソングを歌っているのか?
探してみると、美輪明宏の「ヨイトマケの歌」から始まって、いろいろあります。
そもそも、歌の根源的なルーツとして、労働歌っていうのは、大昔からあるわけです。
田楽という平安時代の農民の歌や踊りは、稲の豊作を祈願して始まったものです。
それが、猿楽などとともに発展して、天才・観阿弥・世阿弥親子の出現によって、能という舞台芸術が成立したのです。
「竹田の子守唄」なんかも、被差別部落に伝わった子守の労働歌なのです。
フォークグループの、赤い鳥、紙ふうせん、なんかがカバーしています。
そういう歌のルーツを探るのも、面白いですね。
プロテストソングの時代。
そして、美輪明宏以降、現れたのは、 この人です。
山谷ブルース 岡林信康
これは、MTVの先駆けなのですね。
なんでスポニチが、これを撮ったのでしょうか?
昔のテレビで、深夜に流れる天気予報には、こんな MTV ぽい映像が流れていたと記憶しています。
80年代。魂のロックバンド、ARB登場。
それでは、少し時代は下りまして、1980年代。
バブル絶頂期にいたる飽満の時代に、なぜか、時代に背を向けたワークソングを、吠えるようにギグるロックバンドが現れました。
ファクトリー ARB
この曲は、ワークソングとしても最高なのだけれども、ファミリーを歌った歌としても素晴らしいです。
ARBの代表作といってもいい名曲。
日本のロックで、ワークソングといえば、ARB ですね。
このバブル絶頂へと向かう時期。
チャラチャラした軟弱なラブソングやAORなんかが隆盛を極めていた頃、このバンドは極めて異色の存在でした。
彼らが最初に所属したシンコーミュージックは、アイドルバンドとして売りだそうとしたのですが、それを嫌い事務所を飛び出した。
そういうエピソードからしても、いかに石橋凌が硬派な男だったかが窺えます。
契約を解除したとき、バンドを去ったメンバーもいました。
しかし、メジャーの看板を失くして、一からスタートしたバンドは、自分たちのロックを貫いた。
さらに、ワークソングだけではなく、戦争や核、難民、犯罪などの社会問題に眼を向けた楽曲で、バンドは存在感を増し、後続のバンドに大きなインパクトを与えました。
ARBは、まさしく反時代的ヒーローでした。
魂、鳴りやまず―ARB THE LONGEST TOUR (宝島コレクション)
これも、アイデンティティを失いかけた男の魂の叫び。
HOLIDAY ARB
- アーティスト: A.R.B.,石橋凌,柴山俊之,白浜久
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 1999/12/16
- メディア: CD
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さらに、もう1曲。
THE WORKER ARB
次の曲。
これもまた、知る人ぞ知る名曲です。
真島昌利の作品。
作詞・作曲は、ブルーハーツの真島昌利。
オリジナルは、小山卓治のアルバム「ひまわり」収録。
ミスチルの櫻井和寿がBANK BAND でカバーしています。
煙突のある街 小山卓治
煙突のある街 BANK BAND
私も、このブログ書くまで、この曲が真島昌利の曲だとは知りませんでした。
でも、ずっとCDは聴いてたのです。
オリジナルの、工場のサイレンと煙に咳き込むノイズがGood !
汚泥のような川が流れる街の、工場の煙突が垣間見えるよう。
この曲は、なんと言っても、小山卓治のオリジナル音源が秀逸です。
買うなら、断然おすすめですね。
この歌のいいところは、会社側とつるんで自分の利益のために立ち回る、腐った組合幹部をも批判していること。
なんとかイズムに侵されない、個の視点が、光っていること。
それが、真っ当な批判精神を生むのです。
まだまだある名曲。憂歌団、レベッカ、ミスチル。
おそうじオバチャン 憂歌団
おそうじオバチャン(UKADAN LIVE '89 Big Town Tourより)
- アーティスト: 憂歌団
- 出版社/メーカー: FOR LIFE MUSIC ENTERTAINMENT,INC.
- 発売日: 2016/11/16
- メディア: MP3 ダウンロード
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みなさんの中には、当然、この記事のタイトルを見て、こいつ左翼? とか、思った人もいるでしょう。
しかし、それは間違っています。
私は右にも左にも属さない。
あえていうなら、モラリストとしてのリベルタン。
徒党を組むことが大嫌い。
人間にとって最も大切なのは、自由、平等、博愛、というフランス革命の理念、プラス、平和だと思います。
私は、個人の自由を侵そうとするものに対してのみ、刃を向け、闘う。
次は、オフィス・ガールの君に。
ボトムライン REBECCA
Rebecca 4-Maybe Tomorrow- by Rebecca (2013-02-20)
- アーティスト:Rebecca
- 出版社/メーカー: Imports
- メディア: CD
それでは、最後の曲。
時代が、ホワイトカラーの色に染まってきて、こんなワークソングが、現代に近いのかなぁと思います。
ALIVE Mr.Children
希望の無いこの国に夢はあるのか?
個々の人間の闘いはムダなのか?
その問いかけを胸に、明日なき戦いを挑み続けるこの曲で、今夜は終わります。
お休みなさい。