こんばんは。デラシネ(@deracine9)です。
本日は、不良の歌の特集です。
まず、断わっておきますが、不良、というのは、犯罪をやったり、クスリをやったりすることではないのです。ここを勘違いしないでください。
不良というのは、とにかく頑なな世間の常識にとらわれず、ありきたりな生き方に NOという、メンタリティを持った奴のことを言うのです。
これが私の「不良」の定義です。
だから、そういう生きざまを歌ってる曲ってことになりますね。
では、1曲目。
Just a 16 A.R.B
これは、ARB 初期の名曲。
事故死したアキコの、テレビで流れる笑顔が、脳裏をよぎります。
アキコこそ、不良ですね。
反抗してます。
くだらない日常を無自覚に繰り返し、自分を軽蔑する能力すら持ち合わせない、
大人連中を、ギロッと白い眼で見ています。
この詞は、石橋凌の実体験をモチーフにしてるそうです。
つまり、アキコはかつて、この世にいたのです。
これほど、心を打つバラードは、稀です。
次の曲。
WATCH YOUR STEP THE MODS
ARBから始まったので、モッズを聴いてもらいました。
これも、らしい曲ですね。
とんがってます。抵抗してます。
モッズとARB は、 めんたいロックの両雄ですね。
次の曲。
これも、立派な不良の歌。
夜霧のブルース ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
これは、オリジナルを遥かに超えてます。
宇崎竜童、いい声してます。
これを聴かずに、不良の歌は語れないですよ。
渋い、男のダンディズムの極めつけです。

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先ほど、私は私の思う「不良」の定義を述べました。
不良というのは、はみ出し者のことです。
民俗学でいう、トリックスターです。
世の外れ者が、社会を潤していく。
社会から、芸能、音楽、スポーツ、もの書きで身を立てようと志す人が いなくなったら、どうなるか?
真面目人間ばかりになってしまったら、どうなるか?

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芸能というのは、遠い過去の歴史から、卑賤な職業とされてきました。
今でも、そういう空気がないわけではありません。
芸能人のゴシップを扱う、週刊誌やワイドショーは、いつの世も存在しています。
人は、ゴシップを渇望さえしている。
かの芸能人のゴシップが、普通の生活人に、世の外れ者でない自分の存在を慰撫してくれるからです。
はみ出し者のいない、上からの規範に忠実な人間ばかりの社会は、硬直化した社会です。
そういう社会の末路は、歴史がいくらでも証明している。
第2次大戦前のドイツ国民は、失業者の激減、経済政策の成功によって、首相から総統という名の独裁者になったヒトラーを、熱狂的に支持しました。
驚くべきことに、国民の支持を得たヒトラーは議会政治の枠組みの中で、全権委任法というすべての権力をヒトラー個人に委ねる法律を成立させ、合法的に独裁者となったのです。
ヒトラーによって、これがあるべき国の姿だと、信じこまされた世人は、はみ出し者は抹殺するべき人間だと大真面目に考えた。
国の役に立たない者。
ナチスにとっては、それが、障害者や老人やユダヤ人だった。
そして、国が滅びて独裁者が死を迎えるまで、国民はただ黙って服従することしか出来なかった。
戦前の日本も、同じ過ちを犯しました。
だからこその、「不良のすすめ」。
異端者と呼ばれることを怖れるな。 自分の信じた道を往け。
そばかすの天使 甲斐バンド
これは、歌謡曲っぽいですが、それも当然。
甲斐よしひろが、内藤やす子の「弟よ」みたいな曲を書いてみようと思って、出来た曲らしいです。
内藤やす子に歌ってもらうつもりで書いたのが、あまりに出来がよかったので、自分で歌うことにしたそうです。
これは甲斐が自分で言っていました。
次は、チェッカーズのデビュー曲。
ギザギザハートの子守唄 チェッカーズ
自由 RCサクセション
オレは法律破るぜ、って言ってますが、破らないでくださいね (笑)。
でも自由って本当になれないんです、 人間って。
なんらかのしがらみの中で、誰しも生きている。
だから、歌でくらい、歌いたいものですね。
自由は、不自由ってことも、大人になれば、嫌ってほどわかりますから。
では、最後の曲。
15の夜 尾崎豊
マジで、これは話しておきたい。
尾崎が現れたあと、各地の学校の窓ガラスが割られる事件が多発したことがあった。
最近でも、その手のニュースを聞くことがある。
みんなのフラストレーションが、相当なエネルギーになって、爆発したのだと思う。
私だって、やりたかった。
しかし、それはエネルギーのぶつけ方が、間違っている。
やり返す手段は、いくらでもある。
絶対、見返してやると、力をためて、自分を磨くのだ。
そしたら、必ずやり返す時がくる。
その時を信じて、待つ勇気が必要だと思います。
それでは、今日はこれで終わります。お休みなさい。