こんばんは。デラシネ(@deracine9)です。
本日は、 J・ROCK の隠れた名曲 PART 4 と題してお送りします。
このシリーズは、PART3 以来、ほぼ2年振り。
前回は、ジャックスなどを紹介し、当時の世相についてお話ししました。
今回もそんな流れでお送りします。
それでは、本日の1曲目。
渇いた街 甲斐よしひろ
渇いた街の歌詞 | 甲斐よしひろ | ORICON NEWS

- アーティスト: 甲斐よしひろ,瀬尾一三
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 1994/12/07
- メディア: CD
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この曲は、カセットテープに入れて、相当聴き込みました。
ポニー・キャニオン在籍中の唯一のシングル。
ウォーウォーウォ、のイントロは、なかなか一般受けしないなぁと思いつつ、好きな曲ですね。
この曲を歌っている映像を最近初めて観て、感激です。
日本と朝鮮半島の歴史を考える。
今、日韓関係が大変なことになっている。
私は、国際関係や外交に関して特別な知識があるわけでもなく、その専門家では勿論ない。
だから、これは私にとっての常識に過ぎないのだが、これだけは言わせて頂きたいと思うことを申し述べる。
多くの方は、韓国も北朝鮮も、勝手な事ばかりやりやがって、と思っているかもしれない。
しかし、世界史的な見地から朝鮮半島の歴史を考えるなら、少しはそこに生きてきた民族の気持ちがわかるのではなかろうか?
朝鮮半島に生まれた国々は、西に自国を世界の中心だという意味で中国と称する大国の隣に位置し、二千年にわたり、この国の属国の立場のもと存在してきた。
中国には、漢、唐、宋、元、明、清といった大帝国が興亡を繰り返し、長い歴史のほとんどの時期を、その属国として、顔色を伺い続けなければならなかった。
そして、北からは北方民族の度重なる侵攻を受け、その脅威にさらされ続けた。
モンゴル帝国・元の時代には、征服されたあげく蒙古軍と共に日本へ攻め入り、二度の攻撃とも海上で大きな暴風被害を受け壊滅状態になった。
その後も16世紀末には、韓国では「倭乱」と呼ばれる豊臣秀吉の侵略に合い、首都を占領されるなどの災難に遭った。
そして、近代。
朝鮮王朝の宗主国であった清が、イギリスとのアヘン戦争に敗れるや、アジアには西欧列強諸国が大挙押し寄せ、朝鮮や日本は植民地化の危機にさらされる。
日本は西欧のドイツ帝国に学び、 アジアで唯一近代化に成功し、列強の仲間入りを果たしたが、その結果としてやることは西欧列強諸国と同じで、自国の経済力と軍事力を増強し、他国を侵略し植民地化することだった。
日本はからくも日清戦争、日露戦争を勝ち抜き、1910年、日韓併合を行なった。
その結果、国土を奪われた朝鮮人民は、日本のなすがままにされた。
日本の産業発展のために、大勢の労働者が国家総動員法のもとに強制連行され、労働に従事させられた。
1918年、朝鮮では、三・一運動と言われる大日本帝国からの独立運動が民衆も参加して大規模に起こったが、すぐに鎮圧された。
韓国では、毎年3月1日は三一節という独立運動の記念日として、祝日になっている。
1945年、太平洋戦争に日本は敗れ、同時に朝鮮半島は、大日本帝国の支配から解放された。
大勢の日本人が、大陸から日本へと引き揚げる中、朝鮮半島は連合国の共同統治下に置かれることになり、南からはアメリカが、北からはソ連が上陸した。
第2次大戦の終結は、即、共産主義国家と資本主義国家陣営の対決を意味していた。
その結果、北は共産主義国家陣営に、南は資本主義国家陣営に組み込まれ、朝鮮半島はベトナムとともに、両陣営の代理戦争を引き受ける戦場となった。それが1950年に起こった朝鮮戦争である。
北朝鮮にはソ連や中国が援軍を、韓国にはアメリカが援軍を送った。
現在も、両国は休戦の状態であり、対立は続いている。…
以上がごく簡略に述べた、私が認識するところの朝鮮半島の歴史である。
この場所で生きた人々の暮らしが、いかに大変なものであったか、歴史を読み解けば、お分りになる事だろう。
2曲目。
これはロックかという話もあるが、大瀧詠一、佐野元春、杉真理というメンツだから、ロックだということにしておこう。
A面で恋をして ナイアガラトライアングル
A面で恋をしての歌詞 | NIAGARA TRIANGLE | ORICON NEWS

- アーティスト: 大瀧詠一
- 出版社/メーカー: Sony Music Records Inc.
- 発売日: 2014/03/19
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猛暑の中、実に爽やかな曲で、ホントに大瀧詠一さんありがとう。
モヤモヤが少しは晴れますように。
民族のアイデンティティのありか。
先ほど、朝鮮半島の歴史をあえてお話ししたのは、韓国に生きる人々にとっては、この歴史が体に染み付いているからだ。
これだけ苦難の歴史を歩んできた民族のアイデンティティが、どのようなものになるかを考えてみたことがありますか?
国を行動の基準にした考え方、これをナショナリズムと言いますが、これを基にして考えると、とにかく屈辱的な出来事で埋め尽くされていて、これが自国の歴史だとしたら、とても耐えられない日本人は、今、多いんじゃないでしょうか?
特に、究極のナショナリストたる安倍晋三や百田尚樹、日本会議の皆さんは、そうでありましょう。
なにせ、憲法改正の目的の一つが、アメリカが勝手に作った憲法だから許せない、という誇り高き人々でありますからね。
若い頃、私は「福岡アジア映画祭」というイベントで、「安重根と伊藤博文」(その後、DVD 化されたタイトルは「安重根、伊藤博文を撃つ」と改題)という映画を観た。
北朝鮮の映画なので、すごい偏見と嘘に満ち満ちているかと思いきや、わりと普通な歴史映画で、伊藤博文なんかも極悪人として矮小化が過ぎることもなく、驚きの映画であった。
韓国で、悪人扱いされる日本人は、伊藤博文、豊臣秀吉、加藤清正、この三人だ。
伊藤博文は長州出身の政治家で、初代内閣総理大臣、昔の千円札の写真だった人だが、1905年、朝鮮の実質的支配を確立した初代韓国統監に就任した人物で、ハルピン駅で安重根という若者に暗殺された。
だから、安重根は韓国では英雄なのだ。
驚くべきことに、2013年、今からわずか6年前に、伊藤博文を暗殺した安重根の記念館が、その場所であるハルピン駅に併設されている。(正確には「安重根義士記念館」)
豊臣秀吉も、日本では百姓の身分から天下人になった英雄で、何度も大河ドラマに登場する馴染み深い人物だが、これも韓国では自国を戦乱の巷に陥れた大悪人とされる。
同じく加藤清正は、秀吉麾下の武将だから、これまた憎まれる。
それにしても、秀吉の侵略は今から四百年以上前のことであるから、韓国の人々の中には自国の歴史がいかに深く刻み込まれているかをよく表しているエピソードだ。
四百年忘れないのだから、伊藤博文はまだ百年ちょっとで、憎まれて当然なのだろう。
ここで、朝鮮の民謡をチョー・ヨンピルが歌っているので、聴いてください。
恨五百年 チョー・ヨンピル
この曲は、1983年にサウンドストリートで、甲斐よしひろが掛けた。
いまだに印象的で、心に残る歌声である。
そして、誤解が多いのが、タイトルにある「恨(ハン)」の解釈だ。
韓国は「恨(ハン)」の国とまで言われるが、その意味は日本語の「恨み」とは違うニュアンスを持っている。
この言葉は他人を攻撃する感情を示すものではなく、Wikipedia の記事にあるように、深い悲哀や、痛恨、無常観などを指すものなのだ。
韓国の人々は、そういう感情を深く長きにわたり持ち続ける国民性があると言われる。
この歌も、五百年間、日本で言う恨みを持ち続けるという、そんな歌ではない。
この詞とメロディを聴けば、この深く哀切な心情、「恨」という感情を、少しは理解できるのではないだろうか?
次の曲。
今回も、このバンドを。
いい娘だね ジャックス
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- アーティスト: ジャックス
- 出版社/メーカー: ユニバーサルミュージック
- 発売日: 2013/11/27
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1960年代に早川義夫をリーダーとして活動した日本語ロックの先駆的バンドが、ジャックスです。
照和で、海援隊はジャックスのコピーをやっていたらしい。
甲斐バンドもカバーしている。
早川義夫さんは、ジャックス解散後、ソロアルバムを発表しましたが、その後長い間、古本屋さんをやっていて、90年代に活動を再開しました。
私はその当時、早川義夫さんのライブを、春吉にある小さなライブハウスで観た。
独特のノリで、「サルビアの花」「ラブ・ジェネレーション」といった伝説の名曲を聴き、感激した。
「恨(ハン)」に培われた国民感情
話を続けよう。
とにかく、朝鮮半島の人々は、その歴史の中で、周辺の諸国からさんざんにいじめ抜かれて来た、と言っても過言では無い。
隣には中国、北方には遊牧民族や騎馬民族、そして近代に入ると日本に迫害され国土を蹂躙され、 酷い目にあってきた。
子々孫々にわたって、じっとそれを耐え続けて生きてきた。
そして、さらに肝要なのは、そういう被害に合って来たにも関わらず、かの国の人々には何一つ罪はなく、悪いこともしていないのである。
日韓併合も、南北分断も、歴史がもたらした災難でしかない。
(台湾の誇大妄想狂的思想家が、韓国併合のときに、日本と併合しようと活動する団体があったなどと書いているが、権力におもねる輩はいつの時代にも必ずいるもので、一般民衆とそれを代弁する政治家が好んで日本の属国になろうと思うはずがない。)
その長い歴史の中から培われたのが、先ほどからお話ししている「恨」の感情なのだ。
今から25年ほど前、私は職場の観光旅行のため、韓国へ行ったことがある。
観光バスに揺られて、韓国の名所を巡った。
だが、名所旧蹟と言っても、先ほど述べたような歴史のある国だから、ハッピーなエピソードばかりあるスポットはなかなか無いわけだ。
同乗したバスガイドさんは、日本と同じく若い女性であった。
その頃は、まだまだ韓国も発展途上にあって、今ほど経済力、国力ともに日本に拮抗しているわけではなかったから、日本人の観光客というのは、お得意様の部類に入る筈と思っていた。
バスガイドさんは、それでも金満なる日本の観光客に対して、毅然と自国の歴史を語るのだ。
私には、かなりの衝撃だった。
このうら若き女性のガイドさんが、にこやかな笑顔を交えながらも、眦を決して国の歴史を語り、自国民はそれでも負けないのだという気概を漲らせている。
こんな姿は当時の日本の若者にはあり得ないことで、自分の国の歴史や文化などには何の関心も無い、パッパラパーばかりしか周りにはいなかったから、そのあまりのギャップに、私は驚きを禁じ得なかった。
私が初めて生に接した「恨」の感情だった。
次の曲。
マドモアゼル・ブルース ザ・ジャガーズ

- アーティスト: ザ・ジャガーズ
- 出版社/メーカー: テイチクエンタテインメント
- 発売日: 2012/02/22
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これは、グループ・サウンズの名曲「君に会いたい」で知られるジャガーズの曲。
作曲は、あの筒美京平。
これも、甲斐よしひろが見事なアレンジでカバーしてます。
紹介したいのですが、いい音源がないので、是非中古CD を買ってください。

- アーティスト: 甲斐よしひろ
- 出版社/メーカー: ポリドール
- 発売日: 1994/12/19
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徴用工問題と拉致問題。
これまで長々と朝鮮半島の歴史や私個人の体験などを話してきたが、ここからが本題だ。
日本人誰もが知っている北朝鮮の拉致問題。
普通の生活と人生の長い時間を奪われた拉致被害者とご家族のことを思えば、誰もが胸を痛めるだろう。
同じ日本人であり、拉致されたのが自分であったとしたら…。
そう考えれば、北朝鮮の 理不尽な行動に怒りを覚えて当然だと言える。
では、今回の対立のもととなった徴用工問題はどうだろう。
日本人は、実に冷ややかで理屈どおりの考え方をする。
我々は、朝鮮半島から日本に強制連行され、差別され馬鹿にされながら労働に従事させられた被害者とその家族に対して、どれだけ贖罪の意識を持っているだろうか?
韓国から強制連行された人々の家族の身になってみるがよい。
日本人は、もう金も払ったし、謝罪もひと通りした事だし、向こうも同意した事だし、何の文句も言われる筋合いは無いと考え、それで済んだことだと考える。
だが、日本人の拉致問題のことになると、そうは思わないはずなのである。
もしも北朝鮮が、拉致被害者を返し、賠償金を支払ったとしても、そう単純に怒りを解いたり、仲良くしようなどとは思わないのが人間性の真実ではないだろうか?
徴用工問題も、本質は同じではないか?
韓国の人々にとっては、一時的な謝罪と合意であったり、賠償金を受け取ったからと言って、あっさりと、忘れられる問題ではないのである。
北朝鮮と違うとしたら、日本人は国策として大っぴらに朝鮮半島の国土を奪い、何万人だか何十万人だかしれない朝鮮半島の人々を拉致したわけで、どちらが酷いことをしたかは一目瞭然ではないだろうか?
私が育った福岡には、大牟田市に三池炭鉱、筑豊の町々に筑豊炭田と、大きな炭鉱が二つあり、万単位の朝鮮人労働者が強制労働に従事させられた。
そして、故郷の大地を踏むことなく、大勢の人々が死んでいったのである。
それは紛うことなき事実で、私は炭鉱町を訪れるたびに、その酷い歴史を想う。
ここ数年、ネット記事などで、徴用工の強制労働さえ否定するものがあるが、とんでもないフェイクだ。
福岡の炭鉱町に来てみるがよい。
事実を事実と認めない偏狭な思想が、人間同士の絆を、国と国の交流を、いかにダメにしてしまうか、良識ある人びとはお分かりだろう。
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あなたは、イジメにあったことがありますか?
イジメられた人間は、イジメた人間の仕打ちを死ぬまで忘れることはない。
私はイジメにあっていたから、これは真実だ。
一度や二度、イジメられた相手から謝られようと、手打ちのカネをもらおうと、決して許そうとは思わない。
それが当たり前の感情だと思っている。
若き青春の日々を奪われ、死のうとさえ思ったのだから。
ましてや、イジメにあったのは、「恨」の国、韓国の人々なのだ。
いまだ、国土を奪われ、家族を連れ去られた悲しみを忘れられるわけがない。
必ずや、そう思っているはずなのである。
次の曲。
マイハウス 井上陽水

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御用メディアやネトウヨの世論操作への対抗手段として。
ここまで読んで来られた方は、相当にリベラルな紳士・淑女の方だから、ここでお礼を申し上げる。
反感を持ちつつ読んで来られた方があるなら、私はその方の言いたいことを代弁してあげよう。
お前は、それでも日本人か。朝日新聞の手先か。
なぜ韓国の肩を持つ?
理不尽なのは、韓国の方であることは明らかで、その感情とやらになぜご機嫌を取る必要があるか?
そもそも、戦前のことを何を今更ガタガタぬかすか。
お前は、アカだな。北朝鮮の映画を観るやつなんて、アカに決まっておる、などなど…。
そういうイチャモンに、私の返事はひとつだけ。
私は、平和と自由を愛する一個の人間です、と。
日本人がここまで傲慢になれるのは、歴史上対外戦争に二度しか負けていないからだろう。
ひとつは7世紀の白村江の戦いで、もう一つが先の大戦である。
そのほかは、モンゴルも神風という台風のおかげで撃退したし、日清、日露戦争も運よく勝った。
だが、安倍晋三を始めとするナショナリスト諸氏は、二回のうちの一回、先の大戦の敗戦が悔しくて堪らず、 歯嚙みをして、戦後レジームを打ち壊す事を大願としておられる。
翻って鑑みるに、朝鮮半島の国が周辺国に脅威を与えたことは、現在の北朝鮮が登場するまで、歴史上一度もなかったのである。
(厳密に考えれば、7世紀の白村江の戦い後、新羅を怖れた大和朝廷が九州に防人を置いたことはある。)
だから、韓国の日本に対する感情は屈折しているのが当然で、現在のような根強い反日感情に繋がっているのは、やむを得ない一面がある。
じゃあお前は、今の韓国にどういう態度を取れというのかと問われるか?
私は政治家ではなく、政府を動かす力があるわけでもないから、どうすることもできない。
外交とは、結局のところ、国の利益をめぐる駆け引きであって、過去の都合の悪い事実には蓋をするものだ。
今の日本政府の態度はまさしくそれなのだが、韓国はいささか勝手が違う。
その場その場の国益以上に、「恨」の感情がひとつの行動原理になっているから、外交においても、利益さえ得ればよい、という話にはならない。
私がここまでルルと述べてきたのは、政府の外交の援助をするためではない。
冒頭のタイトルに掲げたように、韓国という国を理解するには、その前提としてこれだけは知っておかなければ、永遠に韓国の人々の感情や行動は理解できないだろうということが多過ぎる。
だから、多くの国民が、いとも簡単にメディアやネトウヨの世論操作のエジキになってしまうのだ。
私がこの問題を取り上げたのは、そうやって、一方的で偽物のマス情報やフェイクによって、多くの日本人が、誤った反韓感情を植え付けられているのが見ていられないからだ。
昨今のメディアの世論操作は酷すぎる。

- 作者: 『週刊金曜日』編
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以前、このブログで書いたが、相変わらず武田鉄矢のラジオ番組の録音動画が、ネトウヨの反韓、反中感情への煽り戦略として使われているようだ。
そのとき書いたとおり、一連の動画はタイトルと中身が一致しない、エセ動画なのだ。
もう一度、ここで念を押しておきたい。
次の曲。
これも、いい曲なんだが、全然 売れなかった。
プロデューサーは、ポニー・キャニオン時代のエレカシのプロデュースをした、故・佐久間正英さんです。
佐久間さんは、元・ジャックスの早川義夫さんと親友でした。
青春小説 辻仁成

- アーティスト: 辻仁成,佐久間正英,Banana,佐藤準,山本拓夫
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ナショナリズムの限界と国家記号論。
今回は、朝鮮半島の歴史から始め、韓国の問題を考えるための真っ当な予備知識を得てもらい、ネトウヨやら御用メディアに洗脳されないよう、韓国の人々の歴史認識や国民性に至るまで話をしてきた。
ここでいきなり ちゃぶ台をひっくり返すようだが、ここまで私は、歴史にしろ国民性にしろ、主として韓国の立場で、ナショナリズムの視点から話をしてきた。
ナショナリズムとは、簡単に言えば、国を人間のように擬人化して捉える思考のことだ。
たとえば、国がイジメにあった、というような言い方は、国を人間のように捉えたもので、それがナショナリズムだと言ってよい。
元はと言えば、国は権力者の支配の及ぶ地域を指した。
国が生まれたことにより、国同士の争いが、まるで生きている人間の争いのように歴史書に記されたことから、アジアのナショナリズムは産声を上げた。
しかし、本来、国というものは、その共同体が作り出した幻想に過ぎない。
人間は本来、個々に生きる存在で、国を人間のように扱うところから、ピントのズレた、マヤカシの論理が生まれる。
国を自己のアイデンティティとするようなことがなくなれば、国のために死ぬ、などという馬鹿げた論理は成立しない。
であるから、これからは、国というものを、人間の記号のような存在として扱うのがよいのではないだろうか?
ちょうど、井上陽水の「マイハウス」という歌の中の「マイハウス」すなわち「家」という概念が、歌詞の中の記号としてしか扱われていないように。
ご主人様は、あくまで個々の人間であって、国というのは人間を幸福にするための記号でしかない、と考えてみるのだ。
そうすれば、大切なのは個々の人間の命や財産、幸福であって、国はAとかX とかの記号に過ぎないのだから、国の誇りなんてものにかかずらう必要はなくなる。
国と国の憎しみ合いなどは生まれようが無くなくなるだろう。
国は、個々の人間を幸福にするための記号、すなわち便宜に過ぎないのだから。
そう。イマジン・オール・ザ・ピープルだよ。
Imagine John Lennon (忌野清志郎)
最後に。
ナショナリズムに煽られ、戦地で戦って死んでゆくのは、個たる人間なのだ。
戦争はダメだ、と原爆投下の日や終戦の日に「火垂るの墓」や「この世界の片隅に」を観て涙しても、日本人は、メディアの扇動によって、コロリと騙されてしまう。
それは、我が身に降りかかる出来事とは夢想だにしていないから。
戦争は、ある日、何の前触れもなく突然起こるもの。
だから、政府がどれだけアメリカから戦闘機を買い込んでいるか、軍事費を使っているか、気をつけていないと、明日にも戦争は起こるのです。
それは誇張ではない、今の政府の現実です。
戦時中を描いたアニメに、他人事として感動しているだけじゃ、ダメなんだ。
平和な世の中を作ることを妨げ、憎悪と反感を煽ろうとする愚かで邪悪な思想は、この巷間に溢れている。
それにどう対抗し、新しい世の中を作っていくかを考えないといけない。
一人一人が真の平和とは何かを考え、その理想に一歩でも近づけるよう努力する、個としての人間に生まれ変わらんことを。
私は、そう祈るばかりだ。