
こんばんは。デラシネ(@deracine9)です。
本日は、アレックス・シアラーの小説「チョコレート・アンダーグラウンド」をご紹介します。
突然、国中のチョコレートが禁止された。
ヨーロッパのある国で、健全健康党が一躍、政権を取った。
そしてある日、施行されたのが「チョコレート禁止法」。
法律には、こう書いてある。
今後、チョコレートは何人にも売買してはならない。
違反した者は、五千ポンドの罰金または懲役刑に処す。
これは、行政命令である。
その日の五時から、健全健康党のチョコレート破棄部隊がスーパーや商店街を襲撃。
甘い物の在庫品を箱ごとすべて運び出し、装甲車に積み込み廃棄処分とした。
町の各所にはチョコレート廃棄所が設置され、市民は持っていたお菓子やチョコレート、砂糖、チューイングガムを持って、行列を作った。
彼らは健全健康党に投票した訳ではない。
反逆罪に問われたくないという理由で、自主的に並んでいた。

町のあちこちに、チョコレート探知車が走り回っていた。
屋根にはチョコレート探知機。
車体には、黄色い蛍光色の電光ディスプレイで「チョコレート発見」の文字。
チョコレートを発見すると、これが点滅する仕掛けになっている。
乗務するのは、チョコレート警察の検査官と小隊員だ。
小隊員はヘルメットに防護服、検査官は制服に金バッジを付けている。
甘い物を所持、販売、密造した者は逮捕、勾留され、体罰を伴う尋問のあと、刑務所か再教育施設に送られる。
再教育施設では、徹底的に甘い物が食べられないよう思想訓練(嫌忌療法)を施されるのだ。
健全健康党が政権を取ってから、あいさつにも規則ができた。
「リンゴさくさく気分を、同志よ」と党員から言われたら、
「ジューシーオレンジ🍊気分をどうぞ」と答えなければいけない。
少年たちの秘密計画。
どうして、こんなことになったんだろう?
チョコレートが大好きな少年、スマッシャーとハントリーは、不満で仕方がなかった。
スマッシャーの母さんは、パン職人の父さんに、こう言っていた。
あなたみたいな人のせいよ。
ほかの人に投票しなかったから、連中が勝ったの。
『悪が栄えるためには、善人がなにもしないでいてくれればいい』って言うじゃない。
あなたは、まさになにもしなかったのよ。
チョコレート禁止法ができて、喜んでいる連中もいた。
「少年団」と呼ばれる、健全健康党の少年部だ。
彼らはの中にはスマッシャーやハントリーの同級生もいた。
少年団は、週三回、公園で訓練を受けている。
いつも「善行」の機会を伺っている。
彼らはグラウンドを周回しながら歌っている。
チョコ・バーなんか、ほしくない!
でないと入れ歯になるだけだ!
砂糖やお菓子は体に悪い!
セロリの方がずっといい!
炭酸飲料、ほしくない!
コーラは流しに捨てちゃおう!
悪いやつらを見つけたら!
名前をメモして通報だ!

スマッシャーとハントリーは、行きつけのバビおばさんの駄菓子屋へ行ってみた。
バビおばさんと隊員が二人、激しく言い争っている。
私にどうやって生計を立てろって言うの?
バビおばさんは、隊員に噛み付いている。
だが、店のお菓子やチョコレートや子供向けのマンガ雑誌はすべて押収された。
これを売れ、と党員は箱を取り出して言った。
箱には「政府認定健康おやつ」、「砂糖、塩、チョコレート不使用」の文字。
そして、「健全マンガ・少年団員の健康的で模範的な冒険」。
スマッシャーとハントリーは、バビおばさんの頼みで健康おやつの試食をする。
だが、それは「毒薬を飲んだ方がまし」なほど不味かった。
チョコレートを食べた事のある子供は、これからいなくなるのか。…
そう思って沈む二人だったが、思わぬ発見をしてしまう。
バビおばさんの雑貨屋はもともと食料品店で、裏の倉庫には上質のカカオや砂糖の袋が大量に貯蔵されていたのだ。
チョコレート検知機は、原材料までは反応しないらしい。
スマッシャーとハントリーは、バビおばさんとチョコレート密造の盟約を交わす。
だが、肝心の製造法がわからない。
政府はチョコレートに関する本をすべて廃棄してしまっていた。
「チョコレート」でネット検索をしようとすると、システムが破壊されるように改造されている。
だが、二人は古びた屋台が並ぶ町の古書店で、ブレイズさんという店主から、唯一残されたチョコレートの作り方の本を見せてもらった。
そしていよいよ、バビおばさんの倉庫で、チョコレートの密造が始まることになる。
果たしてこの密造計画は、成功するのだろうか?…
「チョコレート」を「自由」や「人権」に置き換えてみる。
この物語の作者は、イギリスの作家、アレックス・シアラー。
「青空のむこう」「十三ヶ月と十三週と十三日と満月の夜」などの作品がある。
大人向けというより、ヤング・アダルトというジャンル、ティーンネージャー向けの児童文学を書く作家だ。
これらを日本語に翻訳したのは、金原瑞人さん。
芥川賞作家の、金原ひとみさんのお父さんだ。

この書物の原題は、「BOOTLEG (ブートレグ)」。
訳せば「密造」だ。
作者は、なぜ子供たち向けに、こんな法律を破ることを讃える本を書いたのだろう。
少年たちは、お金を儲けたくて、こんなことを始めたのではない。
ふたりにとって、それはある目的のための戦いだった。自由のための戦い、あらゆる子どもたちがときどきチョコレートをかじる権利を求める戦いだった。
(中略)
ふたりは、しいたげられた者や弱い者の側についていたし、圧制や弾圧や不正に対抗していた。
彼らのスローガン。
すべての人に、自由、正義、そしてチョコレートを❗️
それは、次のスマッシャーの言葉にも表れている。
もし法律が悪いものなら、それと戦って、正すべきじゃないか?
ここまですべての引用は、
アレックス・シアラー・作 金原瑞人・訳
「チョコレートアンダーグラウンド」より。
チョコレートが禁止されるなんて、そんなことが起きるものか❗️
今の日本に住む人々は、本当にそう思っているだろうか?
そうとは限らないのが、この世の中のおそろしいところだ。
不幸にして、「そんなこと」が起きる可能性はじゅうぶんにある。
「メロンパンを食べたら死ぬ」とか「日本人は米だけ食べればいい」とか。
今の日本に、そんなことを言っている政党の国会議員や地方議員が、軒並み増えている。
最近の選挙では、この政党に、700万人以上の人が投票したのだ。
とすれば、この小説は、ファンタジーでもお伽ばなしでもない。
現実となっても、少しもおかしくないお話なのだ。

翻訳者の金原さんが言っているように、
「チョコレート」を「自由」や「人権」「法の下の平等」
などに置き換えてみよう。
そうしたら、見えてくるものがあるはずだ。
「パン禁止」とか、「お米以外食べてはいけない」とか。
そんな法律が、いつできるか分かったもんじゃない。
そんなバカな、って笑ってたら、あっという間だよ。
🟧超重要拡散希望🟧
— 西麻布の母🔮 (@mama_nishiazabu) 2025年7月22日
癌になりたくない人や長生きしたい日本人へ
癌は戦後にアメリカが持ち込んだ食品で発生した病気なのよ‼️
だって戦前に癌なんてなかったんだから‼️
🟧小麦•砂糖•トランス脂肪酸入りの油・肉🟧
参政党支持者の仲間たち‼️
長生きしたかったら食べないで‼️
日本人なら大丈夫‼️ pic.twitter.com/1JMy06fhat
(重要)
この政党の党首は、小麦が戦後(第二次世界大戦後)に初めて日本に入ってきたと言っているが、真っ赤な嘘である。
小麦は、日本では弥生時代から作られている。
最後に。
今年、この小説が日本でミュージカルとなって上演された。
公演はすでに終わってしまったが、おかげで小説は再版になった。
だから、新品が手に入る。
この小説を、今の大人たちに読んでもらいたい。
おかしな人が、おかしな政治を始める前に。
是非にも、一読をおすすめしたい。
すべての人に、自由、正義、そしてチョコレートを❗️



