こんばんは。デラシネ(@deracine9)です。
本日は、ついに中島みゆき特集です。
1曲目。デビュー曲。
アザミ嬢のララバイ
孤高の歌姫、ついにサブスク解禁。
10代から半世紀にわたって聴き続けてきた、シンガーソングライター。
なのに、何故、ここまで単独での特集をやらなかったのか?
答は簡単。
長いこと、みゆき様のオリジナル動画というのが、YouTubeには、アップされてなかったからなんですよ。
だから、どれもカヴァーしている人の動画ばかり。
このブログの「中島みゆき」のカテゴリー記事を、読んでもらえばわかりますが、結構な数書いて曲も紹介しているんです。
でもシングルに限っては、昔はカヴァーしている方の動画だったのが、今はオリジナルに差し替えています。
YouTube公式チャンネルに連動して、サブスクもシングル曲だけが解禁になったのですね。
そういう訳で、ようやく、みゆき様特集が可能になりました。
デビュー曲で、これは外せないだろうと。
ですが私にとって、みゆき様の真骨頂は、アルバム💿にあると思うのです。
もちろんシングル も素晴らしいのですが、それ以上に‼️
アルバム にはいい曲が、たくさんありますよ。
それで、まだYouTubeやサブスクで聴けない曲も、たくさんこれから紹介しようと思います。
しかし、私はみゆき様のシングル、ホントに好きなんです。
80年代の初め、まだみゆき様のベスト盤が出ていない頃です。
なんとカセット・テープ限定で「中島みゆき・A面コレクション」というのが、発売されました。
それには、赤盤と青盤の2本あって、もちろんこれはビートルズに倣ったのでしょうが、赤はA面の曲、青はB面の曲が収録されていました。
当時、私は貧乏学生でした。
赤だけ買いました。
「アザミ嬢のララバイ」から「誘惑」までの12曲。
これは、テープが擦り切れるほど聴きました。
その後、社会人になって、中島みゆき「singles 」というベスト盤が出たんです。
そこでようやく、B面を聞いた訳です。
だから、A面コレクションの12曲は、めちゃ好きです❤️。
「アザミ嬢のララバイ」を始めとする初期の曲は、当時のみゆき様の生活振りを、彷彿とさせます。
みゆき様は、自分の歌は私小説ではない、つまり全部フィクションだとおっしゃってますが、深夜の繁華街を歩いたことの無い人には、絶対書けない歌です。
新宿、ゴールデン街がよく似合う、とみゆき様は、甲斐よしひろのサウンド・ストリートにゲスト出演されて、自画自讃されていました。
このブログで紹介している稲葉喜美子さん(通称:Maria様)の歌も、夜の世界の女の人が描かれています。
「日の出町ブルース」「26時」、たくさん良い曲があります。
タイトルで、なんとなく分かります。
繊細でナイーヴ、女性の心の綾を歌ったその世界は、独特で唯一無二。
「稲葉喜美子」カテゴリー記事にありますので、どうぞ聴いてみてください。
「時代」と「アザミ嬢のララバイ」が入った1stアルバム「私の声が聞こえますか」。
ここに、「中島みゆき」という稀有な歌姫が誕生したのです。
この中では「海よ」が特に好きです。
2曲目。
こんばんわ
様々な人間の心情になり変わる、極上のみゆきワールドへ。
これが「時代」に次ぐ3枚目のシングル。
ちょっと、ビックリしました。「時代」とのギャップがあって。
でも、これがみゆき様の、真骨頂なんですよ。
飲んだくれの、あちこちをふらふらしては、この酒場に現れる女性が、ホントに語りかけてくる、そんな感じです。
そういう人間のネガティブな心情を、いろんな人に憑依して書けるのです。
かと思えば、「時代」や「ファイト!」のような心温まる応援歌も。
「タクシー・ドライバー」「狼になりたい」のように、生活者の心根を代弁するかのような歌も。
「世情」「地上の星」のように、人間を俯瞰し、人生を達観したような歌も。
人間を見る眼がしなやかで、人への愛情が、歌の底流にあります。
どんな人の気持ちにも寄り添えるから、悪魔にも天使にも成り代わって、その人の心情になって、言い当ててあげられる。
なんて素晴らしい才能でしょう。
「こんばんわ」は、アルバムに収録されてません。
だから、このカセットで初めて聴いた訳ですが、心に残るんです。
特に、サビが。
あれから何をやってもうまくはいかず あの街この街渡ったよ
ここが頭から離れず、口をついて歌ってしまいます。
誰にもこういう時や気分って、あると思うんです。
これを初めて聴いた自分が、そんな感じだったから、なおさら残っているんでしょう。
夜風の中から
続くシングルは、「夜風の中から」。
これもめちゃ好き。名曲です。
「こんばんわ」に連なる路線の曲。
こちらは、サビがとても印象的な、覚えやすいメロディです。
この曲が入った2nd アルバム「みんな去ってしまった」。
この中では、B 面に入っている「忘れられるものならば」。
これが好きです。
ホームにて
この曲は、3枚目のアルバム「あ・り・が・と・う」に収録。
のちに「わかれうた」のB面に収録。
このアルバムは、みゆき様の画期です。
楽曲も歌唱力も、ワンランク上がった感じです。
「朝焼け」「ホームにて」「店の名はライフ」…
などなど、洗練された名曲が並び、声の使い分けもまた素晴らしい。
「店の名はライフ」の歌詞は、またまた画期的でした。
よくこんな歌詞が思い浮かぶなぁというね(^^)。
店の名はライフ おかみさんと娘 親娘でよく似て見事な胸
店の名はライフ 三階は屋根裏 あやしげな運命論の行き止まり
以前も書きましたが、このアルバムには、若き日の坂本龍一が、スタジオ・ミュージシャンとして参加しています。
のちのち「オールナイトニッポン」で、教授のエピソードを披露されていらっしゃいました。
続いて、私がみゆき様と出会った超名盤が登場します。
わかれうた
中島みゆき、というシンガーが、一躍、全国区になったのは、この曲が契機でしょう。
当時のオリコン1位を獲得。
始まったばかりのTBS 「ザ・ベストテン」の第1回放送で、4位にランクインしていました。
TV出演は、夜のヒットスタジオとコッキー・ポップの二度。
この曲は、音楽的にも、当時の歌謡曲の作曲家とは一線を画すと言われていました。
そして翌1978年、4th アルバム「愛しているといってくれ」がリリースされます。
私が初めて聴いた、みゆき様のアルバムがこれでした。
最初は友人から借りたのですが、すっかりハマってアルバムを買いました。
全編がすべて名曲、弛むところが無い、これが完璧な名盤と言えるものでしょう。
トータル・アルバムとしても、最高でした。
「怜子」「海鳴り」「ミルク32」「おまえの家」…。
これらは、アコースティック・ギターの弾き語りに打ってつけ。
のちにギターが弾けるようになって、よく下宿で弾いてました。
このアルバムだけで、ストローク、アルペジオ、スリーフィンガー、3つの奏法が練習できます。
ギター練習中の方にもおすすめなアルバムです。
これが私の愛用する、4台目のアコギ。ヤイリです。
K.Yairi RF-65RB アコースティックギター フォークギター (Kヤイリ RF65RB)
参加したミュージシャンは、ドラムス・つのだひろ、ベース・後藤次利、ピアノ・坂本龍一、パーカッション・斉藤ノヴという納得の強力布陣。
名盤となったのも、うなずけます。
この中の「世情」は、当時のドラマ「3年B組金八先生」のパート2で使用され、私の世代には、強烈なインパクトを残しました。
このアルバムが起点となって、その後の「親愛なる者へ」「生きていてもいいですか」というオリジナル・アルバムが続きます。
私的には、この3枚を「わかれの3部作」と勝手に命名しています。
ですから、この3枚をもって、中島みゆきの70年代は終わると考えています。
のちの2枚には、シングル曲が無いという事。
それも、この仮説の根拠です。
この2枚にも「狼になりたい」「泣きたい夜に」「蕎麦屋」などなど。
いい曲はたくさんあるので、どうぞお聴きくださいませ。
続くシングル「おもいで河」のB 面。
ほうせんか
さて、この時期のみゆき様には、ふたつのお仕事が加わります。
オールナイトニッポンのパーソナリティに。
1979年のことです。
同じ北海道出身の、松山千春のオールナイトニッポン月曜第一部。
そのあとを受けて、みゆき様が登場しました。
第1回から聴いたと思いますが、まあ、驚きました‼️
みゆき様が、こんなおしゃべりをするのかと❣️
時には、というか、ふつうにお下品なネタも。
特に、大笑いしたネタがありまして。
リスナーからのハガキ(当時はメールではありません)を読み上げたみゆき様。
〇〇の公衆トイレには、『よう来たな、まあ座れや。』と書いてある。
これには、読んだ本人も大爆笑。
全国から笑い声が聴こえてくる感じでした。
いまだに、このネタはトイレや、ネット上に存在しています。
(実際に公衆トイレで、これを目撃しました。)
しかるに、大元はこのときのみゆき様か、と考えめぐらすこの頃です。
ソングライターとしての書き下ろし。
これは研ナオコへの楽曲提供から始まって。
日吉ミミ、小柳ルミ子、加藤登紀子、桜田淳子などなど、多数のシンガーへ。
これが、最初のセルフカバーアルバム「おかえりなさい」となりました。
それ以降、21世紀にかけて、他のシンガーへの楽曲提供が続くのはご存知のとおりです。
さて、ここまで長々とお読みいただき、ありがとうございました。
最後に。
中島みゆきというシンガーは、ファンには特別な存在なのです。
この70年代の名曲特集は、吉田拓郎でもやりました。
ですが、みゆき様の場合は、時代性にまったく左右されないところがすごいと思います。
たくろうは、もともとみゆきの憧れの存在だった人。
その拓郎が書けなくなった時、拓郎に曲を書いて歌ってもらったという。
まさしく稀有なシンガーです。
ブレが無い彼女の世界は、本当に感動がたくさんつまっています。
次は、中島みゆきの名曲選・80年代編へと続きます。
最後の曲です。
これだけが公式チャンネルのものでは無いので、いつまで存在しますか。
それでは、新春よき初夢を。
おやすみなさい。